菜香やでは、本当に美味しいぬか漬けを作るために研究を重ねてきました。
一般に流通している米ぬかは、「米の品種はなにか」「いつ精米したか」「栽培方法はなにか」などが全くわかりません。
通常であれば精米した段階で、他の品種の米ぬかと混じってしまいお米の特徴がわからないのが一般的です。
また、精米をすると米ぬかの脂質が酸化するので日が経つにつれて米ぬか特有の匂いがでてきます。
日々、研究をするなかでぬか漬けの味を決めるのはぬか床の本質である、米ぬかの性質なのではと気づいたのです。
菜香やの「ミルキークイーン米ぬか床」の特徴
「精米時期」香りが芳醇で、嫌な匂いがほとんどしない
菜香やのぬか床は、精米したばかりの米ぬかを使用します。
脂質が傷んでいない状態なので、米ぬか特有の嫌な匂いがほとんどありません。
そのため、ぬか床で発酵した乳酸菌の芳醇な香りを楽しむことができます。
「品種」まるで「きな粉」のような甘さのある米ぬか
「ミルキークイーン米」の生米ぬかだけを選定して、ぬか床を作ります。
米ぬかを炒らないで使用するのは、精米したばかりの米ぬかの証拠。
品種を限定することで、他にはない甘みのある米ぬかの風味を生かしています。
実際にぬか漬けに使用すると、ほんのり野菜が甘くなるのは「ミルキークイーン米」ならではの米ぬかのおかげです。
「栽培方法」農場がみえる米ぬかなので、安心・安全
「ミルキークイーン米」を生産する米農家さんにも配慮して、栽培方法にこだわって育った米ぬかを使用します。
オーガニック(無農薬)でお米を栽培する大嶋農場様などから、米ぬかをわけていただきます。
玄米の90%以上の栄養価が含まれている米ぬかは、安心してぬか漬けと一緒にお召し上がりいただけます。
ぬか床には、塩分が含まれていますので過剰摂取にはお気をつけください。
「ミルキークイーン米」との出会い
一軒の農家様からはじまります。
弊社の製造場所である茨城県筑西市は茨城県の県西地域北部に位置する市で、複数の河川が流れ水利にも恵まれていることから古くから水田耕作が盛んで、耕地面積は市域の半分以上を占めています。
そんな豊かな環境だからこそ、昔から大切にお米を育てる大嶋農場さんと出会うことが出来ました。
はじめて「ミルキークイーン米」の米ぬかを食べた時、きな粉と勘違いするほど甘みのある米ぬかで驚いたことを今でもハッキリと覚えています。
菜香やでは、「品種」、「産地」、「栽培方法」、「精米時期」にこだわり、混じりけのない精米したての生ぬか「ミルキークイーン米」だけで作ったぬか床を開発しました。
お米にこだわるのと同じように、ぬか床の米ぬかも適した品種に限定することで、他にはない甘みのある美味しいぬか床が出来上がりました。
大嶋農場のご紹介
大嶋さんの家は代々続く米農家。筑西市桑山地区の筑波山を望む16ヘクタールの田んぼで、ミルキークイーンを中心に黒米、赤米、カレーに適した華麗米など十数種類のお米を作っています。
そのうち、JAS有機栽培米が約半分、茨城県認証特別栽培米(減農薬・無化学栽培米)が残りの半分になります。
大嶋さんは東京農業大学に進学し、卒業後すぐに実家で就農。お米作りを始めました。
1999年頃までは、主にコシヒカリを作っていましたが、お米の供給量が増え,値が下がっているのを感じ、差別化を図るためにミルキークイーンを作りはじめました。
その戦略が功を奏し、食味のよいミルキークイーンは、今では多くのお客様に支持されているそうです。
その後は栽培する品種を増やし、ブランド化され、『百笑米』と名付けられました。やさしくて親しみのある、お米のイメージにぴったりな名前で販売されています。
大嶋農場では、ミルキークイーンをはじめとした数種類の品種について、独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構(NARO)との利用権許諾契約を結び、原種から栽培しているそうで、この原種からとった種も販売しています。種を作る時は、他の品種が混ざらないようにするのが一番大事で、とても神経を使うといいます。
食の安全が問われている中で、百笑米は有機栽培のお米作りにこだわっています。
「年間約80,000羽の鶏を飼育し、その鶏糞と米ぬかを主とした堆肥を作り、この自家製の堆肥を使っています。肥料の原料までわかっているので安心です。もちろん、食味にもこだわっています。 お米の食味を向上させるために、沖縄産の天然塩(雪塩)、国産ハチミツ、カツオ節エキスを穂が出る時期に数回散布しています。ひと手間かけることがおいしさの秘訣です。」
ミルキークイーン米とは
1985年、食味が良く粘りの強い米の開発を目的として茨城県に設立されていた農業・食品産業技術総合研究機構農研機構(旧農業研究センター)の稲育種法研究室で研究がはじまり、コシヒカリの突然変異として誕生したのがミルキークイーンです。
ミルキークイーンは、アミロースが少ないので粘りが強いという特性があり、食べるとモチモチした食感が味わえます。
全国で栽培されている美味しいお米の品種コシヒカリの受精卵にMNU(メチルニトロソウレア)という突然変異原処理を行って育成され誕生しました。
米の生産調整が開始され、お米の味が良くないと売れない時代になってきてコシヒカリの子供であるあきたこまちやひとめぼれやヒノヒカリなどコシヒカリ同等の美味しさをもつお米がありますが、それらを超えるものとして誕生したのがミルキークイーンです。
ミルキークイーンはアミロースの量が少ない
お米のデンプンの分子には、アミロースとアミロペクチンがありアミロースの量が多いと硬くて美味しくないお米になります。
アミロースの量が少ないと柔らかくて日本人好みのモチモチした食感の美味しいお米になります。
ちなみにもち米には、アミロースが含まれておらずアミロペクチン100%で出来ています。
それであれだけモチモチになるのです。
低アミロース米とは
近年みなさまに好評が良いお米としてよく低アミロース米という言葉を聞く機会が増えてきていると思いますが、低アミロース米とは、先ほど説明したとおりお米のデンプンの分子のアミロースの含まれている量が15%以下のお米のことを言います。
コシヒカリのアミロース含有量は、約17%ほどだと言われております。
低アミロース米の特徴として冷めても硬くなりにくく粘りが強く炊き上がりの光沢があるというのが特徴です。